2018年7月19日(木)

▼熱中症の疑いで病院に搬送される人が県内でも増えている。17日は死亡した90代女性を含めて69人で、一日の搬送人数としては統計史上で最多。猛暑日は7月下旬にかけても続き、県などは小まめな水分摂取や適度な休憩、エアコンの活用などの対策を呼びかけている

▼熱中症は高温の中での運動や高齢などによる代謝機能障害で意識障害を起こす熱射病の総称。体温調節が間に合わなくなる日射病と違い、室内など閉ざされた空間でも発症する。年々増加傾向で、今回は大陸からのチベット高気圧と太平洋からの高気圧が日本列島上空で重なり、雲が発生しにくく本州、四国、九州に直射日光を降り注いだ

▼集中豪雨も通常はザーっと降ってすぐ積乱雲が消えるのに、強い風で動かされて元の位置に次々新しい積乱雲が発生し、線状降水帯となって雨が降り続くことになる

▼海からの風が入りにくい内陸部に被害が集中しやすく、体温調節機能が低下した高齢者と、未発達な幼児が熱中症弱者といわれる。17日に死亡した女性は名張市の94歳。津市で搬送され、命に別条がないという女性は80代と12歳。前日の16日に死亡した男性は松阪市の88歳と亀山市の76歳だった。6日に死亡した桑名市の女性は82歳。いわゆる〝災害弱者層〟ということだろう

▼熱中症対策は県も啓発はしていても、同じ温暖化が深く関係している集中豪雨対策に比べると、注意喚起の伝達など仕組みづくりで見劣りがする。自然災害の中で今年は集中豪雨以上の猛威を振るっていることに留意しなければなるまい。