治療手遅れ、死亡5件 昨年の三重県内、調査以降最多 経済的な理由で

【調査結果を発表する井谷さん(中央)ら=三重県庁で】

三重県民主医療機関連合会(県民医連)は11日、経済的な理由で治療が手遅れとなって死亡した事例の調査結果を発表した。全日本民医連に加盟する県内の医療機関を調べたところ、平成29年中に5件が見つかった。調査を始めた22年以降で最多。県民医連は「無料や低額で医療を受けられる制度の周知に努めたい」としている。

調査は、全日本民医連に加盟する病院や診療所を受診後に死亡した人のうち、国民健康保険に入っていなかったり、国保に加入していても経済的理由で治療を中断したりしていた事例などを抽出した。

県民医連は、県内にある8つの病院や診療所で調査し、5つの事例があった。青森と鳥取の6件に続いて全国で4番目に多かった。全国では29都道府県で63の事例があり、東京の七件が最多だった。

県内の5件は、いずれも60歳以上の男性で津市内に住んでいた。死因は、がんや心不全、C型慢性肝炎などだった。うち少なくとも1人が国保に加入していない時期があり、1人に保険料の未納があった。

このうち、60代の男性は「経済的に苦しい」と病院に告げ、治療を中断していた末に心不全で死亡。胃がんの合併症で死亡した70代の男性は「医療費の支払いが滞っていて受診しづらい」と相談していた。

県民医連事務局の藤井新一氏らが11日、県庁で記者会見し、調査結果を発表。藤井氏は「県内全域で調べれば、同様の事例は数十倍にも上るだろう。貧困や格差が広がることを危惧している」と述べた。

今回の調査に当たった津生協病院(津市船津町津興)の医療ソーシャルワーカー、井谷真由美さんは「経済的に苦しい人が無料や低額で医療を受けられる制度の周知に努めたい」と話していた。