宮川上流に弥生期装飾品 大紀町の遺跡 有力者の痕跡か 三重

【宮川上流の遺跡で見つかった磨製石器(左)と管玉=伊勢市役所で】

【度会郡】皇學館大(三重県伊勢市神田久志本町)の岡田登名誉教授(考古学)は6日、大紀町駒の「松原沖E遺跡」で、弥生時代の装身具「管玉」と磨製石器を発見したと発表した。管玉と磨製石器が同じ遺跡から見つかったのは県内5カ所目で、宮川上流での発見は初めて。岡田名誉教授は「宮川上流の交易ルート解明につながる可能性がある」としている。

いずれも岡田名誉教授が6月の調査で見つけた。管玉は長さ8ミリ、直径1・2ミリ。中心に0・9ミリの穴があり、穴に糸状の物を通して首に掛けていたとみられる。岡田名誉教授は「管玉は今で言うとダイヤモンドの指輪ぐらい高価。交易で栄え、有力な首長がいたと考えられる」と話す。

磨製石器は長さ31・9ミリ、幅12・2ミリ、厚さ2・4ミリ。これまでに宮川流域で見つかった石器は主に打製石器で、磨製石器が見つかることは珍しい。岡田名誉教授は何らかの儀式に使われたとみている。

松原沖E遺跡は弥生時代中期のものとみられ、現在は個人の農地となっている。出土品は有力者の墓に副葬された可能性がある。稲作文化が栄えた弥生時代では、農作業がしやすい平野部に多くの集落ができたため、山間部の上流にある遺跡は珍しい。

岡田名誉教授は「どこからもたらされた物か分かれば、交易ルートの解明にもつながる。石材を分析し、原産地を調べたい。本格的に発掘調査を進めれば、勾玉(まがたま)などの副葬品が出てくることも考えられる」と話している。