三重県議会・一般質問 地籍調査の進捗わずか 昨年度末9.5%

三重県議会6月定例月会議は11日再開し、津田健児(自由民主党県議団、4期、四日市市選出)、西場信行(自民党、9期、多気郡)、舘直人(能動、4期、三重郡)、大久保孝栄(鷹山、2期、熊野市・南牟婁郡)の4議員が一般質問した。県地域連携部は、県内の地籍調査の進捗(しんちょく)状況は平成29年度末で9・5%と、前年度から0・1ポイントしか進まなかったと明らかにした。前年度の全国順位がワースト2位だったことから、29年度の全国順位はワースト2位以下となる見通し。

■教育現場に外部人材を ― 津田 健児議員(自民党県議団)
津田議員は教育現場で外部人材を積極的に活動すべきと主張。鈴木知事は同調する一方で「配置が現場の状況とかみ合っているかを検証できていない部分がある」と述べ、検証を進めると説明した。

【教員の適正配置】
津田議員 教員が多忙ならば、部活動の外部指導員やスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーといった専門職を活用すれば良い。事務負担が多ければ事務職員を雇えば良い。しかし、県は教員で補おうとしている。

知事 これまでもスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置を進めており、本年度からは部活動指導員を新たに配置する。ただ、現場の状況にかみ合っているのかどうか、私自身もしっかり検証できていない部分がある。しっかりと検証したい。

【釣りツーリズム】
津田議員 県内には、自分の釣った魚をさばいてくれる宿泊施設がほとんどない。そんな施設が増えれば、県内で宿泊する釣り人が増えるのでは。釣りと他の観光資源を組み合わせれば、もっと三重の魅力が増すはず。

河口観光局長 観光の需要に応えるため、体験メニューを充実させることが大切。三重が誇る海、山、川といった自然体験の情報発信にも取り組み、釣りも体験プログラムに加えている。今後も地域に来てもらえるきっかけとなるよう取り組みたい。

■核ごみ処分、協力否定か ― 西場 信行議員(自民党)
西場議員は原子力発電所から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場について、昨年度時点で「(国が候補地を選定するための)調査に協力しない」とした鈴木知事の考えに変わりがないか尋ねた。知事は「現時点で調査に協力する考えはない」と改めて国への協力を否定した。

【最終処分場】
西場議員 最終処分場の候補地を選定するための調査を知事が拒否できる根拠はあるのか。

知事 国は安全性を調査した上で選定することになっている。法律には、都道府県知事や市町村の首長の意見を十分に尊重しなければならないと書かれており、自治体の理解を得る必要がある。「尊重」の解釈を国に確認したところ、知事が反対していれば次の段階には進まないということだった。

【宮川】
西場議員 宮川の流量回復や水質改善にどう取り組むのか。大和谷川上流からダム直下への放流について検討すべき。

鈴木地域連携部長 宮川ダム直下は平成18年から流量回復目標の毎秒0・5トンを放流。毎秒3トンの流量回復目標を設定している地点では、これまで平成26ン年度と28年度の2回の放流でまだ実績が少ない。渇水パターンを考慮して流量を確保する必要がある。宮川ダム直下への直接放流は、運用面の課題を整理し、宮川流域振興調整会議で引き続き検証する。

■総体開会式の応募状況は ― 舘 直人議員(能動)
舘議員は県内での開幕を45日後に控えた全国高校総体(インターハイ)の総合開会式について、観覧者の応募状況を尋ねた。廣田教育長は締め切りまでに寄せられた応募が一般と高校生以下のいずれも定員を上回ったと説明した。

【インターハイ】
舘議員 全国高校総体が45年ぶりに県内で開かれる。選手以外の高校生らもカウントダウンボードを作成するなど頑張っている。総合開会式の観覧者が定員割れしているという報道があったが、応募が締め切られて以降の状況は。

廣田教育長 総合開会式では宮川彬良さんに作曲いただいた行進曲の演奏にのり、全国の代表選手ら約1200人が入場する。総合開会式の一般観覧者は800人の定員に1255人、高校生以下の優先枠には300人の定員に対して368人の応募があった。

【三重国体】
舘議員 三重とこわか国体・とこわか大会で目標に掲げている総合優勝を達成するには、競技力の向上が喫緊の課題。県が4月に開講した「三重コーチアカデミー」では、どんな対象に、どんなことを指導するのか。

村木国体・全国障害者スポーツ大会局長 4月に23人の指導者を対象に実施し、コミュニケーションや情報戦略などをテーマにした。7月と11月にも講義があるほか、現場での研修も予定している。品格や資質を備えた一流の指導者を育成したい。

■地籍調査、やる気ただす ― 大久保 孝栄議員(鷹山)
前年度と比べてほとんど進んでいない地籍調査について「市町が事業主体」とする県に対し、大久保議員は「本気で地籍調査をやる気があるのか」と問いただし、「土地開発公社に委託するなど他の手法を考えてはどうか」と提案した。

【地籍調査】
大久保議員 市町の人材確保などやるべきことがある。ずっと同じことの繰り返しで地籍調査が進むとは思えない。

鈴木地域連携部長 着手が遅く、手間がかかるほか、予算や人員確保に課題があるため地籍調査の進捗率が低い。真面目に進めていかなければならないと考えている。

大久保議員 考え方を変えないと進まない。

知事 地籍調査が進んでいないことを残念に思う。一気に実施できないので、めりはりをつけながら地籍調査を進めたい。

【近畿自動車道紀勢線】
大久保議員 紀勢線の全線開通に向けた進捗状況と今後の見通しは。

渡辺県土整備部長 大規模災害発生後の復旧・復興活動に重要な役割を担う道路で早期の全線供用が喫緊の課題。本年度中に熊野尾鷲道路で2つのトンネル工事が発注される予定。用地買収は全て完了し、平成30年3月末の進捗率は約7割となった。未事業化区間の新規事業化には、事業の必要性を地元の声とともに国へ伝えることが重要。31年度新規事業化を要望する。

 

<記者席 ― 釣りへの熱意を披露>
○…教育をテーマに質問した津田議員は、学校で勤務している事務職員の人数を詳細に把握していないなど、県教委の姿勢に納得できない様子。
○…廣田教育長の答弁にも「誠実な人が誠実に答弁できないのは教育委員会の文化。独立した行政機関という名の下で安住している」と批判した。
○…一方、釣りツーリズムの質問では終始にこやか。釣りへの熱意を披露したり、県議らが参加する「釣りクラブ」の活動を紹介したりと〝公私混同〟の質問が目立った。
○…クラブの特別会員という稲垣副知事からも「三重は釣り人にとってあこがれの地」との答弁をもらって満足げ。県教委の幹部らも「釣りをしよう」と思ったに違いない。