2018年6月12日(火)

▼参院合区救済のため定数を6増とする自民党案に、野党からは批判が噴出しているという。議員定数を巡る混乱は県議会ばかりではない

▼1812年、米国マサチューセッツ州知事ゲリーが自党に有利な区割りをし、選挙区が怪物に似た形になってゲリマンダーと言われた。昭和31年に第3次鳩山一郎内閣が提出した公職選挙法改正案は、これにちなんでハトマンダー、昭和48年の第2次田中角栄内閣の時はカクマンダーと言われた

▼「―マンダー」はその後聞かないが、多数派が有利なように選挙区、定数を決めようとする構造は変わるまい。市町村合併では在任特例で議員の反発を封じた。自分の身分が第一というのも、誰もが知ってる議員心理というものだろう

▼合区で実施された先の参院選では、候補者の出せない県側の投票率が最低となり、大量の無効票がでた。地方紙の会合では、地元紙から県勢の停滞への危機感が主張された。先の衆院選で県の定数が1減になったことに、鈴木英敬知事は県の声が国に届きにくくなることに懸念を表明した。合区が進み、東海三県一市単位で定数を決められた場合、県民はどんな選択を強いられるか。国会議員定数の削減は県に限っては反対で、県市町議員削減は賛成というのが県民心理というものか

▼前田剛志県議会議長の論議定数検討機関の提唱を巡り「次期県議選の後に検討すれば良い」という声もあるという。前期は条例を作りながら実施を次期に先送りして、醜態をさらした。次期の行方は計り難い。今期中に成果が見込めるのなら機関設置は意義がある。