伊勢署警官が強制わいせつ バーで経営者女性の胸触る 三重県警、容疑で書類送検へ

【伊勢】三重県伊勢市内のバーで経営者の女性に胸を触るなどのわいせつな行為をしたとして、県警捜査一課が強制わいせつの疑いで、伊勢署の30代の男性警部補を書類送検する方針を固めた。捜査関係者への取材で分かった。県警は男性警部補の処分も検討する。一方、男性警部補は取材に対し、体を触ったことは認めつつも「無理やりではなかった。調べでも否認している」と説明。一度は退職願いを出したが、撤回を申し出たといい、「警察の処分結果次第では不服申し立ても検討している」と話している。

関係者によると、男性警部補は5月6日未明、市内のバーで、同店を経営する40代の女性にわいせつな行為をした。カウンターの席に座らせて複数回胸を触り、抱きついたほか、口にキスをしたという。当時、店にいたのは2人だけだった。

女性は男性警部補の腕をつかみ、手で相手の口をふさいで抵抗したが、力ずくでふりほどかれたという。隙を見て席を立っても「横に座れ」と言われ、「警察官がこんなことをしても良いのか。伊勢署に電話をする」ととがめても、聞かなかったという。

女性は先月9日、同署に被害届を出したが、男性警部補側の求めに応じて示談。同月下旬に被害届を取り下げた。取材に「体を触られて必至に抵抗したが、力では勝てずに耐えるしかなかった。被害を受けてから初対面の客と2人きりになるのが怖い」と語った。

被害届けを取り下げた理由については「男性警部補側から『強制ではなかった』と言われるたびに『こんなつらい思いをするならもう終わりにしたい』と心が折れた。厳正な処分を求める気持に変わりはなく、警察官を辞めさせてほしい」と話した。

一方、男性警部補は取材に「女性と手をつないで飲むうちに、調子に乗ってしまった」としつつも「女性は時々、スマートフォンをいじっていた。こっちに来て飲むよう誘っただけ。嫌なら逃げられたはず。店を出る時には『また来てね』と言われた」と話した。

容疑を一部否認しつつも示談したことについては「強制わいせつを認めたわけではないが『警察内部の処分が軽くなる』と(元県警幹部の)父親や友人に説得された。当初は示談を求めるつもりはなかったが、金で解決できるなら払おうと考えた」と語った。

男性警部補は今月初旬に退職願を提出。監察から自主退職をするよう促されたというが、「強制わいせつをしたと思われて辞めるのは納得できない」と考え、撤回したという。停職以上の処分を受けた場合は、県警に不服申し立てすることを検討している。

男性警部補は平成25年から伊勢署で勤務し、刑事一課で事件の捜査などを担当。4月には市内の交番で勤務する20代の女性巡査を叱責して泣かせたとして、同署幹部から注意を受けた。5月中旬から休暇を取得し、県警の任意の調べに応じている。