事件発生1週間、有力情報なく 鈴鹿男性殺害、住民ら不安な日々

教職員らに付き添われながら登校する児童ら=鈴鹿市の現場付近路上で

三重県鈴鹿市稲生塩屋1丁目の住宅駐車場に停めてあった軽ワンボックス車内で、この家に住む解体作業員横山麗輝さん(25)が首を絞められて死亡しているのが見つかった殺人事件は20日、発生から一週間を迎える。いまだ犯人につながる有力な証拠や目撃情報は確認されておらず、周辺住民は不安な日々を過ごしている。

事件は13日早朝に発覚した。午前5時55分ごろ、横山さんの妻(45)の息子で、横山さんからは義理の息子に当たる男性(25)から、「首にコードが巻かれている。息をしていない」と110番があった。警察から連絡を受け、先に救急が到着したときには、男性と、横山さんを抱きかかえる妻の姿があったという。

横山さんは発見時、車の後部座席に仰向けで倒れており、首には延長コードが巻かれていたという。司法解剖によると、死亡推定時刻は13日明け方ごろで、死因は頸部圧迫による窒息死。当初、自殺の可能性も示唆されたが、遺書が見つからず、首には抵抗時についたとみられるひっかき傷が確認されたことから、殺人事件と断定された。

車は無施錠で、キーは挿したままだったという。車内からは現金の入った財布が見つかったほか、無施錠の自宅玄関からはスマートフォンも発見された。

捜査関係者によると、自宅一階の床からは少量の血痕が発見されたほか、物が散乱した争ったような形跡も確認された。遺体の首には複数のひっかき傷のほか、紐状の物で首を絞められたとみられる索条痕も複数見つかった。傷や内出血が首の前部に集中していることから、自宅で背後から何者かに襲われ、延長コードで首を絞められた可能性が高いとみている。

横山さんの生存を最後に確認したのは妻という。妻の説明によると、横山さんは12日深夜から13日未明ごろにかけて妻の経営するスナックを訪れ、午前5時ごろ退店。その後電話で連絡を取り合って通話を終え、午前5時半ごろに再度妻が電話をかけたところ、つながらなかったため、近所に住む息子に様子を見るよう依頼したという。

最後に通話記録が残っていたのは五時15分ごろだったことから、通報までの時間に何らかのトラブルに遭った可能性もあるとみて、周辺の防犯カメラの画像を解析するなど慎重に裏付け捜査を進めている。

事件発生を受けて、鈴鹿市教育委員会は事件のあった稲生地区を中心に、嘱託職員による見守りや青パト車の巡回を要請し、通学路の警戒を強化した。

現場からほど近い稲生小学校(嶋智明校長、全校児童752人)は、PTAを通じて保護者や地域住民に児童の見守りを依頼するメールを一斉送信するとともに、教職員に登下校時の付き添いを指示した。嶋校長は「とにかく早い解決を願っている」と話した。

発生から毎朝街頭に立つという男性(71)は「孫には絶対に一人で歩くなと注意している。地元としては落ち着かないので早く解決してほしい」と話していた。