2018年5月16日(水)

▼前財務事務次官のセクハラ問題が発生して1カ月。麻生太郎財務相が国会で被害女性へ謝罪したという。「セクハラ罪はない」という発言についても「誤解を与えたのであれば発言の仕方を考えないといけない」

▼謝罪は再三求められても「文書で出している」などと拒否。「セクハラ罪」も繰り返してきた。これに対し、前財務事務次官が「(はめられた)可能性は否定できない」などの発言はすぐ撤回している。それだけに前二者は政治家として信念をかけた発言で、何が何でも貫く決意だと、それはそれで腰の据わった性根だと感心もしていただけに腰砕けは意外だった

▼実際セクハラ罪発言は自民党内でも同調の声が上がってもいた。「法に触れていない」ことを正当性の根拠にしてきた政治家にとって、男女雇用機会均等法で、健全な職場環境を維持するために守るべきとされていることに違反しても「罪ではない」のだろう。職場という閉鎖的環境から広く社会へ、セクハラ防止の対象は広がりつつあるが、法で規制されるまではいいじゃないかということか

▼県は3月、セクハラをしたとして職員を懲戒免職処分にしたが、行為そのものは強制わいせつ罪などに問える内容。セクハラについて、鈴木英敬知事も「相手の方の受け止めが重要なポイント」と述べている。言ってもいい人とだめな人がいるということである。上下関係などで受け流さざるを得ないのが職場のセクハラで、不快かどうか見極めるのは至難の業だ

▼当面「県庁で何かをすることは考えてない」。国も地方も受け止め方にそう違いはない。