新品種「よつぼし」 三重県産イチゴ、海外で品種登録へ 12の国と地域で申請

【三重県が海外での品種登録を目指す「よつぼし」=同県庁で】

三重県は14日、県農業研究所(松阪市)などが開発したイチゴの新品種「よつぼし」の品種登録を、12の国と地域で申請したと発表した。海外での無断利用を防ぐことが目的。種子から栽培できる新品種の利点を生かし、種子の海外輸出を促進させる狙いもある。国産イチゴを海外で品種登録した例は過去にもあるが、多くの国で一度に登録するのは全国初の取り組み。県は「県産品のブランド力を向上させる効果もあるはず」と期待している。

「よつぼし」は三重、香川、千葉の三県と国立研究開発法人の農業・食品産業技術総合研究機構が開発した。苗から繁殖させる従来の品種とは異なり、種子から栽培できるのが特長。このため、病害虫の被害を受けにくく、運びやすいというメリットもある。

平成29年に国内で品種登録し、県内では伊勢市や伊賀市などで生産されている。一方、近年では国内で開発された果実の品種が海外で無断で栽培されるケースが相次いでいることから、県などは海外で「よつぼし」を品種登録することにした。

ただ、品種登録には多くの費用や労力がかかるため、県などは手続きや無断利用の対策に協力する企業を募集。種苗生産大手の「サカタのタネ」(横浜市)と「ミヨシ」(東京都)から応募があった。両社は申請先の国で「よつぼし」を独占的に活用できる。

国産イチゴの海外登録は、福岡県が開発した「あまおう」などで例はあるが、対象は中国などの近隣諸国にとどまる。一方、「よつぼし」は米国やカナダ、メキシコ、ロシア、EU圏など広範囲の国や地域で登録を申請した。大規模な生産も期待されるという。

既に一部の国では本格的な審査が始まっているが、実際に栽培する必要があることなどから、正式な品種登録は2―3年後となる見通し。登録されれば、県内で生産されている種子を各国に輸出できるようになる。県内では津市内で種子を生産している。

鈴木英敬知事はこの日のぶら下がり会見で「悪意を持って種子を輸入し、利益を得ようとする者もいる。品種登録によって生産者の権利を保護する必要がある。よつぼしが海外でも生産されるようになれば、県産品のブランド力も高まるはず」と述べた。