伊勢 石灯籠全撤去、再考求める 皇大・岩崎准教授、笠石の発泡スチロール化提案 三重

【発泡スチロール製の石灯籠を手にする岩崎准教授。「全撤去は拙速」と指摘する=伊勢市神田久志本町で】

【伊勢】三重県伊勢市内の県道沿いで路線バスが石灯籠に接触し、落下した上部に当たった歩行者が死亡した事故を受けて市内の石灯籠を全撤去する方針の県などに対し、皇學館大(同市神田久志本町)現代日本社会学部の岩崎正彌准教授(伝統建築学)が「安全第一とはいえ、いかにも拙速。文化的価値を考えてほしい」と再考を求めている。撤去は石灯籠の上部にとどめ、代わりに発泡スチロール製にすれば重大な事故を防げると主張。鈴木英敬知事に文書で提案した。

一級建築士の資格を持つ岩崎准教授は、事故で落下した物と同じ大きさの笠石(かさいし)や火袋を発泡スチロールで再現。重量は1.2キロと、実物の100分の1以下。笠石には小型の太陽光パネルも設置し、日が暮れると自動的にLED(発光ダイオード)ライトが点灯する。

岩崎准教授は、笠石が発泡スチロールなら石灯籠が安定することに加え、石灯籠の上部から支柱までを貫く軸を通してボルトで固定すれば耐震性も向上すると主張する。

「傾きやぐらつきなど、危険性がある物の撤去はやむをえない」としつつも「多くの市民は残念に思っているのでは。安全管理と文化財保護の両面から対策を議論すべき。灯籠は伊勢の景観にとって重要な遺産。適切に管理すれば残せる」と訴える。

岩崎准教授は近く県庁を訪れ、鈴木知事に再考を求める考え。石灯籠の管理者がいないことには「行政が管理するのが望ましいが、難しいならしかるべき団体が管理すべき」とし、必要であれば「灯籠を守る会」(仮称)を立ち上げる考えがあることも明かした。

県と市は7月の全国高校総体までに全ての石灯籠を撤去する方針。岩崎准教授は提案への賛同者を募っている。問い合わせは岩崎准教授=電話090(3271)5486か、メール(m-iwasaki@kogakkan-u.ac.jp)=へ。