名張市長に亀井氏5選 投票率51・69% 2新人破る 三重

【万歳で当選を喜ぶ亀井氏(中央)=名張市鴻之台1番町で】

【名張】任期満了(24日)に伴う三重県の名張市長選は15日投開票され、現職の亀井利克氏(66)=西原町=が、前県議の北川裕之氏(59)=百合が丘東三番町=と前市議の森脇和德氏(44)=桜ケ丘=を破り、5回目の当選を果たした。

投票率は51・69%で、過去最低だった前回市長選の42・00%を9・69ポイント上回った。当日有権者数は6万5668人(男3万1388人、女3万4280人)だった。

同市鴻之台一番町にある亀井氏の事務所では午後10時半過ぎ、当選確実の知らせが入ると、集まった多くの支持者らが「やったー」と喜びを爆発させた。亀井氏は支持者らと握手をした後、万歳三唱して喜びを分かち合った。

亀井氏は「最後の最後まで皆さんを不安にさせた。三つどもえの厳しい選挙だったが、今まで以上に支援の輪を広げていただいた」と振り返り、「この4年間は集大成として、元気創造、若者定住、生涯現役に取り組む」と述べた。

亀井氏は企業誘致や福祉施策など4期16年間の実績を強調し、市立病院の産科開設などを公約に掲げて「私にしかできないことがある」と主張。1000以上の企業や個人などから推薦を受け、序盤から有利に選挙戦を展開した。

北川氏は「10年先を見据えた新しいまちづくり」に向けて、観光や産業の振興をの必要性を訴えた。県議時代の所属会派「新政みえ」や連合の支援を受けて出馬表明の遅れを取り戻そうとしたが、亀井氏を超えるまでには至らなかった。

一方、亀井氏への「多選批判」と「青年市長の誕生」を中心に訴えた森脇氏。出馬表明は告示の半年前と3氏の中で最も早かったが、強い支持基盤を持つ2氏に及ばなかった。知名度不足もあり、序盤から苦しい選挙戦を強いられた。

■福祉充実の実績評価 国に太いパイプ、「多選批判」も■
財政難と人口減少に悩む名張市の行く末は、現職のベテラン亀井氏に託された。「福祉の理想郷」を目指して医師の確保や福祉施策の充実に取り組んだ4期16年間の実績が評価されてのことだろう。

「名張版ネウボラ」と呼ばれる市の福祉は全国的にも先進事例で、多くは国に太いパイプを持つ亀井氏の実績。選挙戦でも市立病院への産科開設を強く訴えていた。公約の進展が注目される。

一方、市は施策の充実に欠かせない財源に乏しく、財政は依然として厳しい。亀井氏は市債残高の抑制に取り組んだと強調するが、財政非常事態宣言は依然として発令中。財政難が解消する見通しもない。

「多選批判」も免れなかった。選挙期間中は、4期16年にわたる亀井市政の「マンネリ化」や「長期政権の弊害」を訴える声も聞かれた。新人2氏の獲得分は、亀井氏への批判票と捉えるべきだろう。

亀井市政は、いつまで続くのか。選挙チラシの「三大施策」に「生涯現役」という言葉が。まさか、自らの市長継続で生涯現役を体現するのか。そうなれば、「多選批判」とは逆に見ものである。