石灯籠落ち歩行者死亡 伊勢の県道、バス接触で 三重

【路線バスが接触し、上部が落ちた石灯籠。歩行者の男性の上に落ち、男性は亡くなった=伊勢市楠部町で】

【伊勢】14日午前9時55分ごろ、三重県伊勢市楠部町の県道で、三重交通の路線バスが歩道上の石灯籠(高さ約2.5メートル)に接触。衝撃で灯籠の上部が落下し、歩いていた同市神田久志本町、無職西澤政信さん(81)の頭に当たった。西澤さんは市内の病院に運ばれたが、頭部外傷による死亡が確認された。

伊勢署によると、バスが「徴古館前」の停留所に止まる際、左側のサイドミラーが石灯籠と接触した。現場の見通しは良いという。運転手男性(45)と乗客10人にけがはなかった。運転手男性は「灯籠があるのは分かっていたが、確認不足でぶつかった」と話しているといい、同署が事故原因を調べている。

事故後、現場を通りかかった皇學館大学大学院生の新田恵三さん(23)は取材に、「血の跡のような赤いしみを見て何が起きたのかと思った。この灯籠は『地震が起きたら倒れる可能性がある』と聞いていたので怖い」と語った。

石灯籠、市内に500基超 県は安全性を再調査へ
伊勢市の県道で、路線バスが歩道上の石灯籠に接触し、灯籠の上部が落下、歩行者の男性(81)の頭部に当たり、男性が死亡した事故。石灯籠は老朽化で倒壊の恐れが指摘されており、県は平成27年度から傾きやぐらつきなどの安全性を調査していた。事故を受け、県は本年度の調査を早期に始める方針。

県によると、石灯籠は昭和30年に民間団体が寄付を募って建立。30年代に団体が解散し、老朽化が進んでいる。県は27―29年度までの調査で、危険と判断した約90基を撤去した。

今回の事故を受け、県は本年度の調査では灯籠と車道の距離も調べる方針。ぐらつきなどがなくても、車道に近いと判断した灯籠は撤去の対象として検討する。

灯籠は大きさが4種類あり、高さ約2.5メートル―6メートル。今回のものを除き、県道沿いに328基、国道23号沿いに99基、市道沿いに8基、伊勢神宮内宮近くの市営駐車場周辺に約80基ある。市や国は定期検査で灯籠の安全性を確認するという。