三重県 神事大麻栽培を許可 伊勢麻振興協申請で

【県の担当者(手前)から免許証を受け取る協会の理事ら=三重県庁で】

三重県は3日、神社関係者らでつくる伊勢麻振興協会が申請した神事用の大麻栽培を許可した。前回の申請は不許可としていたが、防犯対策を充実させたことや使用する神社を限定したことなどを踏まえ、今回は「合理的な必要性がある」と判断した。県によると、大麻栽培の許可を与えるのは初めて。

協会は今回の許可を受けて、今月中旬にも伊勢市内の畑で種まきを始める。8月ごろの収穫を予定している。繊維にして30キロ分を栽培する予定。加工作業を経て、秋ごろにも神社に供給するという。

許可の期間は19日から12月末まで。来季以降も栽培するには、再び許可を得る必要がある。県は盗難対策など12項目の条件を協会に提示。「守られなければ免許を取り消す可能性もある」としている。

協会は当初、約530の神社に栽培した大麻を供給することを検討していたが、申請に至るまでに県と事前協議を重ねる中で、供給先を多度大社(桑名市)と椿大神社(鈴鹿市)に絞り込んだ。

この日、県医療保健部薬務感染症対策課の下尾貴宏課長が、津市栄町一丁目の栄町庁舎で協会の理事らに免許証を手渡した。下尾課長は「栽培は条件をきちんと守り、厳格に管理してほしい」と述べた。

新田均理事(皇學館大学教授)は記者会見で「許可決定の英断をした鈴木英敬知事に感謝を申し上げる。許可を受けて責任の重さを感じている。気を引き締めて栽培に臨みたい」と述べた。

その上で「全国の生産者が高齢化し、栽培ができるのは三重だけになる可能性もある」と指摘。「品質の高い大麻を作り、日本の伝統を支えたい。将来的には2つの神社以外にも供給できれば」と語った。

鈴木知事は「他県と比べても極めて厳しい基準で審査した。厚生労働省からも審査で県と見解に相違がないことを確認した。県民の不安や懸念の払拭と安全安心の確保に万全を期す」とのコメントを出した。