2018年3月24日(土)

▼議員定数を現状の51に戻す県議会の条例改正案採決で、賛成討論をした4議員のうち3人が1期で、反対討論の2議員が4期と3期。自ら手を上げたか、誰かが指示したか。45の条例定数の性格をよく物語っている

▼議会運営の決定事項は任期満了までで改選後を拘束しないし、拘束されないのが原則。条例改正を伴う県議定数の変更はむろん事情が異なるが、議員の処遇を決めるものには違いない。決めた議会がそれを守らずに改選後に押しつける。改選前の議員らになぜ自分らの問題を決められているのか。1期生が不満を持つことは分からなくはないのである

▼前期の議決を、今期の議会がひっくり返した。筋違いはお互いさまである。自民党会派が採決の結果でこじれて分裂するというのも隔世の感がある

▼かつて原発立地調査推進決議に反対しても、党を離脱した藤波孝生元官房長官の選挙を応援して国会議員から厳重処分を求められても、県連幹部は結束して党規違反を問わなかった。「自民党は自分党」が当時の幹部の口癖。議員個々の事情、立場をよく理解したということであり、議会は数が最優先であることを知り尽くしていたというである。新政みえが一枚上手だったか

▼定数を現状に戻すことで一票の格差は2・93倍。2・51倍で争われた千葉県議会で最高裁は合憲とし、公選法の特別条項である地域間の均衡に基づく議会の裁量権を認めた。今回の議決はいわば仕切り直しとして、地域特性を選挙区・定数にどう生かすか。条例の付帯決議「不断の見直し」を本格的に議論しなければなるまい。