定時制など集計含めず 「多様な性」三重県内高2にアンケート 県男女共同参画センター

【県男女共同参画センターが発表した調査報告書。通信制・定時制の高校と特別支援学校の回答は集計に含めなかった。】

三重県男女共同参画センター「フレンテみえ」は19日、県内の高校2年を対象に実施した「多様な性と生活」に関するアンケート調査の結果報告書を報道機関に発表した。性的少数者であることを理由に被害を受けたかどうかなどを尋ねる調査だったが、定時制・通信制の高校と特別支援学校からの回答については全日制と同じ内容で調査したにもかかわらず、集計に含めなかった。センターは「調査結果の全体的な傾向が大きく変わるため」などと説明したが、学校区分にとらわれず全ての有効回答を集計してこそ全体的な調査。多様性の尊重が求められる中で、センターの対応は議論を呼びそうだ。

調査は多様な性のあり方に関する若年層の実態と課題を把握することを目的に初めて実施した。昨年10―12月に掛けて、県立学校を通じて2年生の生徒に依頼。生徒らは教室や自宅で記入するなどし、専用の封筒に入れて学校に提出したという。

このうち、全日制の高校では49校の1万1144人に依頼し、90.3%に当たる1万63人から有効回答を得た。定時制・通信制の高校は369人のうち66.7%の246人、特別支援学校は166人のうち38.0%の63人だった。

報告書によると、全日制の生徒でLGBTと呼ばれる同性愛者や両性愛者、トランスジェンダーは281人で、全体の3%。性別が男女のいずれかではないと感じる人や性自認が定まっていない人を含めた性的少数者層は1003人で、全体の10%に上った。

性的少数者層のうち48%が「周囲の多くは性的少数者に偏見を持っていると思う」と回答。「自分は幸せだと思う」は42%、「いざという時に力になってくれる友人や先生がいる」は47%で、いずれも性的少数者層ではない人より20ポイントほど下回った。

ただ、センターは全日制と同様に回収した定時制・通信制と特別支援学校からの回答を集計に加えなかった。定時制・通信制と特別支援学校の調査結果は公表していない。報告書では「回答者全体の傾向と判断できる全日制の結果を使用した」と説明した。

センターの担当者は全日制の結果だけを集計した理由を「定時制・通信制と特別支援学校の回答率が低く、少ないデータで全体の傾向が大きく変わるため」としつつも「信ぴょう性が損なわれるからではない」と説明。傾向がどう変わるかも明らかにしていない。

また、県の調査結果はホームページでの公開が通例だが、センターは公開しない方針。申し込みがあれば提供するが、入手の目的を尋ねるという。報道機関に提供した資料には「二次使用は十分ご配慮くださいますようお願い申し上げます」との異例の一筆を添えた。

センターの担当者はインターネットで報告書を公開しない理由について「ネット上で真意とは異なる情報が出回るのを避けたかった」と説明。報道機関に求めた「二次使用の配慮」については「報告書の数字だけが一人歩きしてはならないと思った」としている。

一方、県も定時制・通信制と特別支援学校の回答を集計に含めない理由をセンターに尋ねていた。インターネット公開についても「県の調査では原則」として公開を促していたが、センターは「調査内容の特殊性に鑑みて公開しない」と返答したという。

センターは、公益財団法人県文化振興事業団が指定管理者制度に基づく県の委託で運営。今回の調査も、この委託料で賄った。県ダイバーシティ社会推進課の担当者は「調査自体を委託したわけではないため、県の意向を反映させるには限界があった」と話した。