三重県議会 定数51案の採決見送り 常任委、時間切れで

【定数増の条例改正案を審議する委員ら=三重県議会議事堂で】

三重県議会は12日、総務地域連携、防災県土整備企業、教育警察の各常任委員会と分科会を開いた。総務地域連携常任委は、次回選挙から45となる議員定数を51に戻す条例改正案を審議したが、採決を見送った。条例改正案を提出した議員らへの質問が相次ぎ、審議の時間が不足したため。「本会議で採決すれば良い」などと、審議の進め方に異論も噴出した。委員と提出議員の質疑応答がかみ合わず、紛糾する場面もあった。下野幸助委員長は委員らに採決への理解を求め、14日にあらためて会合を開くこととした。

■一票の格差」 違憲判断巡り議論 〈総務地域連携=下野幸助委員長(8人)〉
条例改正案は12日中にも採決される見通しだったが、議論の紛糾で持ち越しに。条例改正案を説明するために出席した提出議員が委員を非難したり、審議の進め方を〝指導〟したりする場面もあった。

下野委員長が議事を進めようとすると、東豊委員(鷹山、2期、尾鷲市・北牟婁郡)は「特別委で2年間の議論をしても結論は出なかった。この場で何をどう審議するのか」と指摘。下野委員長は本会議で採決する22日までに委員会で採決する考えを示した。

委員らは条例改正によって拡大する「一票の格差」が違憲と判断される可能性を巡って議論。津田健児委員(自民党、4期、四日市)が「この条例で選挙をしても違憲でないと言い切れるのか」と尋ね、議会事務局は「やってみないと分からない」と答えた。

これに対し、議案提出者の西場信行議員(自民党、9期、多気郡)は「合法だと確信している」とした上で、津田委員を「違憲と決めつけるような言い方はやめてほしい」と非難。議会事務局の答弁に対しても「放り出したような言い方だ」とくぎを刺した。

また、津田委員が質問を続けると、議案提出者の山本教和議員(自民党、8期、志摩市)は「ほかの委員にも配慮してほしい」と、下野委員長に審議の進め方を指導。「議員の役割は表決すること。最終日に向かって議論をしてほしい」と採決を促した。

■「広域受援」 最終案示す 〈防災県土整備企業=野口正委員長(8人)〉
県は大規模災害の発生に備え、他県からの支援物資の輸送ルートや救助活動の拠点施設をまとめた「県広域受援計画」の最終案を示した。委員らは「よくできている」とおおむね評価した上で、実際に運用する場合の課題などを尋ねた。

【広域受援計画】
県は平成29年度に県広域受援計画を策定。南海トラフ地震や震度6強移譲の地震など大規模災害の発生で国や他県からの応援が必要になった場合に適用する。5月20日に北勢市町と合同で受援計画の実証実験を実施し、運用面の課題を確認する。

大久保孝栄委員(鷹山、2期、熊野市・南牟婁郡選出)は「市町にとって心強い計画。これまで救助隊を派遣する際の基準はあったのか」と尋ねた。

県当局は「これまでは県内市町との協定に基づいて救助隊を派遣していた。広域的には中部9県1市で協定もあるが、これまで応援を要請した事例はなく、南海トラフ地震などの大規模地震には不十分だった」と説明した。

小島智子委員(新政みえ、2期、桑名市・桑名郡)は「現場となる市町が状況を把握する際、地域にある介護施設や福祉施設などのニーズをいかに吸い上げるかが重要」と指摘した。

県当局は「5月の活動実験では社会福祉施設にも参加してもらい、身をもって体験してもらった上でそれぞれの社会福祉施設の動きを確認する」とした。

■使用しない施設に710万円維持管理費 〈教育警察=藤根正典委員長(8人)〉
防災・減災対策費やサイバー犯罪、テロ防止対策、交通安全施設整備費など370億2991万6千円を盛り込んだ平成30年度一般会計当初予算案など議案5件について、全会一致で原案通り可決すべきとした。29年度「第2次県行財政改革取組」の県有施設見直しに関する報告では、老朽化で使用していない警察職員向け旧公舎等の施設が県内に37カ所あり、年間約710万円の維持管理費がかかっていることが明らかとなった。

【特殊詐欺の発生状況について】
今井智広委員(公明党、3期、津市)は特殊詐欺被害者の年齢層について質問。堀主邦生活安全部長は電子マネーを使った架空請求詐欺の増加に伴い、従来の高齢者主体から、10―90代の範囲に広がっていると説明。平均年齢はオレオレ詐欺(76・7歳)、還付金詐欺(72・5歳)と比べて、架空請求詐欺は48・9歳と若いとし、「対策を強化していきたい」と話した。

【旧職員公舎等県有施設の見直しについて】
宮西健至警務部長は、耐震機能のない旧職員住宅や、移転で供用停止となった旧鳥羽署庁舎などの施設で維持管理費が発生しており、負担軽減に向けて県有地に建設されている17施設について、建物付きの売却や市町への譲渡を検討していくとした。今井委員は防犯などの視点から解体の必要性について指摘。宮西部長は「売却が難しいものについては引き続き働きかけ、一つでも多く処理していきたい」と述べた。