タイ輸出「条件緩和を」 御浜町選果場 かんきつ検疫を三重県知事視察

【かんきつ類の検査に当たるタイの防疫検査官(左手前)と、検査を視察する鈴木知事(中央)=御浜町下市木で】

三重県産かんきつ類の輸出拡大に向けて、鈴木英敬三重県知事は6日、日本とタイの両政府が合同で輸出の検査に当たっている御浜町の選果場を視察した。県産ミカンはタイへの輸出で全国トップシェアだが、検疫条件が厳しい。視察にはタイ側に条件緩和を求める強い姿勢を示す狙いがある。視察後の取材に「県が条件緩和に向けて力を入れていることを分かってもらえたと思う」と述べた。

県によると、県産かんきつ類は平成22年からタイに輸出され、26年には約20トンに達した。タイへの輸出では、県内が全国トップシェア。高級フルーツとして好まれ、国内の3倍に当たる1キロ3千円前後で販売されるケースもあるという。

ただ、タイ政府の検疫条件は他国に比べて厳しく、生産者側は年間約150万円を負担してタイから検疫官を招かなければならない。表皮があばた状になる「かんきつそうか病」が26年に国内で発生してからは、殺菌や防かび処理も加えられた。

このため、県は検疫条件の緩和に向けてタイ政府と協議するよう、26年から農水省に要望を続けている。2月9日にも、鈴木知事が防かび処理の省略などを求める提言書を齋藤健農水相に手渡した。一方、検査の現場を視察するのは今回が初となる。

鈴木知事はこの日、御浜町下市木のJA三重南紀統一選果場を訪問。タイの農業省と日本の農水省から訪れた検疫官らは、輸出向けの「せとか」と「不知火」から無作為に約1800個を抽出し、一つずつ手にとって害虫やカビなどが付いていないかを確認した。

鈴木知事は検査に当たったタイの防疫検査官と面会し、検疫の条件緩和を求めた。検査官は「南紀の衛生管理は非常に良い」としつつ、運搬の観点から「皮の薄い温州ミカンは傷んでいるケースもある。トレーを使うなど工夫してみては」と助言していたという。

鈴木知事は視察後、県庁で報道陣の取材に「検査の手間が非常に多いとをあらためて実感した。検疫の条件を緩和してもらい、さらに輸出を促進させたい。生産者に対しても、県が緩和に向けて力を入れていることを分かってもらえたと思う」と述べた。