缶コーヒーCMに海女 鳥羽・相差の海でロケ 三重

【鳥羽市沖で撮影されたテレビCM(サントリー食品提供)】

サントリー食品インターナショナル(東京)が今月から放送している同社の缶コーヒー「BOSS(ボス)」のテレビコマーシャル(CM)は、三重県鳥羽市相差町の海で撮影されていたことが関係者への取材で分かった。海女をテーマにしたCMで、映画「メン・イン・ブラック」などで知られるハリウッド俳優のトミー・リー・ジョーンズさんらが海女の装いで登場。海女の仕事に忙殺された末に海へもぐり込みハワイまで泳ぎ着くなど、ユーモラスな展開となっている。CMの制作会社が「海女なら三重で撮影したい」と考えたのがきっかけ。撮影に協力した伊勢志摩フィルムコミッションは「海女が缶コーヒーと〝共演〟する意外な機会だ」と喜んでいる。

鳥羽市の海が舞台となったCMは、ジョーンズさん演じる「宇宙人ジョーンズ」が職を転々としながら地球を調査する「宇宙人ジョーンズの地球調査シリーズ」の「海女篇」。シリーズ64作目で6日から放送が始まった。30秒と60秒の2パターンがある。

海女の仕事に慣れてきた宇宙人ジョーンズが、冷たい海での仕事を嘆く先輩海女を演じる女優の和久井映見さんやお笑いコンビの「ガンバレルーヤ」に「休みます」と告げ、素潜りでハワイまでたどり着くストーリー。加山雄三さんや芦田愛菜さんも登場する。

シリーズお決まりの「笑いどころ」も満載。「この惑星の住人は冷たい海に潜ってまで食物を得ようとする」とする皮肉っぽいナレーションや、宇宙人ジョーンズがリュウグウノツカイとみられる深海魚を抱えて浮上するなど、随所に海女が生かされている。

CMには、多くの小島が浮かぶ鳥羽市の海や海女小屋で談笑するシーンが登場。ジョーンズさんは撮影後のインタビューで、海女を演じた感想を「ダイビングを楽しんでいるので、昔から潜っている。いつも気圧の差を気にしている」と話していたという。

ロケ地の誘致活動に取り組んでいる伊勢志摩フィルムコミッションによると、CMの制作会社から昨年10月、協力の要請があった。撮影チームを海岸に案内してCMのイメージに合う景観を探したほか、現役の海女にも方言の指導などで協力を求めたという。

伊勢志摩フィルムコミッションの担当者は取材に「海女が寒い時季でも潜っている地域は珍しく、CMの趣旨に合っているからこそ三重が選ばれたのだと思う。制作会社側の依頼で実現したという経緯に、あらためて海女の認知度は高いと感じる」と話した。

サントリー食品は「ご協力いただいた方の迷惑になる可能性もある」としてロケ地を公表していないが、海女を取り上げた理由は「ハワイ旅行が当たるキャンペーンの告知を兼ねたCMだったため、ジョーンズには海にまつわる仕事をさせたかった」としている。