2018年2月19日(月)

▼「事業の目的は明確か」「予算の金額は妥当か」「どれだけの費用対効果があるのか」―これが、事業を申請してくる各部門に対する県財政課の質問という。どちらかといえば基本的なことばかりで「容赦ない質問攻め」(県職員)というほどのことかどうか

▼県組織を統括する人事と財政の2部門を比較して「財政は所詮金目で済む話だから」と言ったりする。本紙企画『検証・県予算』の3回目は「厳しい事業見直し」が副題だが、どこか間延びした印象がぬぐえないのは、例えば県営業本部の「クリエイティブな発想を活用した営業活動ブラッシュアップ事業」の要求額100万円。全額却下されたそうだが、知事査定までもつれた上に、鈴木英敬知事から「何が課題かあいまいで目指す方向性も不明確」のコメントが付けられた

▼「選ばれる三重に向けて情報発信を強化するため、クリエイティブな発想を取り入れた営業活動の方向性や取り組みを有識者と検討する」という説明も、「県の魅力を発信する方法をブラッシュアップしたかった」という担当課の恨み節も、空疎な言葉が並ぶだけでまさに「あなたまかせの年の暮」。知事のいらだちが分かる気がするのである

▼廃止事業が前年度比1・5倍というのも、この分ではさもありなんだが、新規事業が「一部」も含めて61件というのはどうか。ひところの半数に減っているのは、政策的経費削減のせいだとしても、中身に新味がない

▼予算を請求する以上は、当然受ける質問を「容赦ない」と感じるようでは発想の翼などは萎縮して、開かないのかも知れない。