<検証・三重県予算>スポーツ関連事業 国体「これで戦えるのか」

【馬術競技で必要になる競技用の馬=津市内で】

平成33年の三重とこわか国体に向け、三重県は新年度当初予算案で競技力の向上や大会の準備など関連事業に23億2374万円を計上。選手の強化費や器具の購入費を補助する競技力向上対策費を前年度より増額したが、他の開催県と比べると少ない。3年後の国体で男女総合優勝の天皇杯を目標に掲げる中、県内のスポーツ関係者は「本当にこれで国体を戦えるのか」と不安を抱える。

県は新年度当初予算案で競技力向上対策事業に前年度より1億円増の総額3億4千万円を計上。県外の優秀選手の獲得やジュニア選手の遠征費補助、競技器具の購入などに充てる。他事業の予算が縮小する中、前年度と比べて1・4倍の予算規模となった。

国体開催県が男女総合得点トップの天皇杯を目指すのは昭和39年の新潟国体以来、慣例となっている。三重県も前回の三重国体では天皇杯を獲得。33年度も天皇杯を目指すが、27年度以降の男女総合成績は27位から上がらず、伸び悩んでいる。

県は天皇杯獲得に向けて、3年後に国体に出場する高校生選手を育成しようと中学1―3年となるジュニア選手の強化費を増額。新たに「チームみえ・コーチアカデミーセンター事業」を立ち上げ、国体選抜チームの監督となる指導者を育成する。

だが、これまでの歴代開催県が同時期に計上していた当初予算と比べると県の競技力向上対策事業費は8千万―1億円ほど少ない。29年度に「愛顔つなぐえひめ国体」を開いた愛媛県は26年度の競技力向上対策費に4億2千万円を計上していた。

予算規模は選手の練習環境や競技器具の質に影響する。県勢が高得点を狙いやすい種目の1つである馬術競技は身体能力の高い馬ほど値段が高い。県馬術連盟の幹部は「人の技術も必要だが、馬にも素質がないとだめ」と良馬の必要性を訴える。

県は新年度当初予算案で県有馬を3頭購入するはずだったが、財政難の煽りを受けて2頭に減少。県馬術連盟の幹部は「馬がなければ勝負ができない」と困惑。「予算的に苦しい部分もあると思うが頑張ってほしい」と国体に向けた予算措置に期待感を示した。

ただ、予算があっても天皇杯獲得の保証はない。愛媛県は競技力向上に26年度以降も予算を割いたが、結果は2位で東京都に天皇杯を奪われた。予算を使っても東京勢にはかなわなかった結果に「30年度以降の開催県には激震が走った」(三重県幹部)。

県は予算を削っても天皇杯獲得の目標は維持したまま。国体順位の目標が30年度は10位台、31年度は10位以内と段階的に上がる。歴代1位は男女総合成績が2千点以上で、三重が天皇杯を獲得するには現状の2倍以上の得点が必要だ。

一方で、県予算は再来年度も増額は期待できない。限られた予算の中で結果を出す秘策はあるのか。決め手を欠くまま、県競技力向上対策課の担当者は「目標に向けて邁進する」と話す。