暴力団会長傷害致死事件 元組員に懲役18年求刑 津地裁 三重

指定暴力団六代目山口組傘下愛桜会の菱田達之会長=当時(59)=が平成27年11月、三重県四日市市浜田町の別宅ビルで襲撃されて死亡した事件で、傷害致死などの罪に問われた住所不定、元同組員横本武法被告(68)の裁判員裁判の論告求刑公判が9日、津地裁(田中伸一裁判長)であり、検察側は「態様は危険で同種事案の中でも重い部類」として懲役18年を求刑した。判決は21日に言い渡される。

検察側は論告で、「身に染みついた暴力団の考えに基づいて暴力団時代の人間関係を利用した犯行で経緯や動機に酌量の余地は全くない」と指摘。金属製の棒(54センチ、1・2キロ)を凶器に20分近く頭部などを狙って繰り返し殴打し、適切な救命措置をとらなかったとして、「極めて危険な態様でしつこく悪質」と主張。被害結果が重く、入念な準備で犯行に及んだ計画性も強調した。

弁護側は最終弁論で、「生涯を暴力団の世界に捧げたのに言われなき絶縁処分で永久追放され、生き方を否定された。山口組分裂の騒動を機に解除を求め、一対一の殴り合いの結果死に至らしめたが一般には迷惑をかけておらず全体として悪質とまでは言えない」とし、懲役10―12年の判決が妥当と主張した。

論告によると、横本被告は27年11月15日午前9時40分ごろに四日市市の菱田会長別宅ビル1階勝手口から侵入。同11時半―12時ごろまでの間、菱田会長の頭部や両腕などを金属製の棒で複数回殴打し、外傷性ショックで死亡させたとしている。