災害情報収集にドローン 南伊勢がシステム開発 斜め撮影で損壊把握 三重

【ドローンの飛行撮影を実演する杉田講師(左から2人目)ら=南伊勢町村山で】

【度会郡】三重県の南伊勢町は19日、小型無人機(ドローン)を使って被災状況を確認するシステムを開発したと発表した。ドローンが撮影した写真をインターネット上の情報共有サービス「クラウド」に保存し、災害対策本部の関係者らが閲覧できる仕組み。家屋の被災状況など、災害時の情報収集に活用する。

インターネットの地図上にドローンが撮影した地点を落とし込む。撮影地点をクリックすると、被害状況の写真を閲覧できる。建物などを真上から撮影すると倒壊していても分かりにくい場合があることから、斜めから被写体を撮影するのが特徴という。

南海トラフ地震の被害が懸念される町は、平成28年11月から防災科学技術研究所(茨城県つくば市)や中部大学(愛知県春日井市)などと開発を進めてきた。町はドローンを所有していないため、ドローンを所有する町内の建設業者に運用を委託する。

この日、同町村山の紀勢地区広域消防組合南島分署で記者会見があり、防災科研の井上公主幹研究員(防災工学)や中部大国際GISセンター長の福井弘道教授(空間情報科学)、同センターの杉田暁講師(同)らが出席。ドローンの飛行撮影を実演した。

防災科研と中部大は4月から2年間、同町のほか、名張市や大台町などの5市町や紀勢地区広域消防組合との共同研究に取り組む。杉田講師は会見で「ドローンを防災面で活用しようと検討している市町に今後も技術を提供したい」と語った。

ドローンは機動性が高く、小回りも利くことから、災害現場での活用が進む一方、撮影した写真の共有や活用方法が自治体での課題となっている。町は昨年10月の台風21号で被害家屋の調査にドローンを活用。罹災(りさい)証明書の早期発行につながったという。