三重県議会・一般質問 県産材供給で林業安定 来春に大型合板工場稼働で

三重県議会11月定例月会議は6日、本会議を再開し、西場信行(自民党、9期、多気郡選出)、藤根正典(新政みえ、2期、熊野市・南牟婁郡)、村林聡(自民党、3期、度会郡)、舘直人(新政みえ、4期、三重郡)の4議員が一般質問した。多気町で来年4月に大型合板工場が稼働することの効果について、岡村昌和県農林水産部長は、工場に年間約7万立方メートルの県産材が供給される見込みだとし、「林業や木材産業の需要が安定する」と説明した。西場議員の質問に答えた。
 
 
■西場 信行議員(自民党) ― 木材大量供給の体制は
多気町で来年4月に操業開始する大型合板工場や県内3カ所で稼働する木質バイオマス発電所への供給体制を質問。県は合板工場からの大規模需要に対応するため、来年1月に県森林組合連合会など14組織で協議会を立ち上げることを発表した。

【県産材供給体制】
西場議員 大型合板工場の立地がもたらす効果と、合板工場や木質バイオマス発電所への供給体制は。

岡村農林水産部長 合板工場が年間に消費する原木約10万立方メートルのうち3分の2が県内から供給される見込み。来年1月をめどに関係者を構成員とする協議会を立ち上げ、原木の受給情報の供給や流通の課題を検討する。昨年、多気町と津市で木質バイオマス発電所が稼働し、間伐材などの未利用材の供給量は27年度の約1・6倍に増加した。合板工場やバイオマス発電所の稼働で生まれる需要を林業の好機と捉え、成長産業化につなげる。

【サッカースタジアム】
西場議員 県内初のJリーグクラブ誕生に向けてサッカースタジアムの建設にどう取り組むのか。

村木スポーツ推進局長 Jリーグクラブを誕生させるための方策を検討する準備会議が9月に発足し、これまでに3回の会議が開かれた。現在はスタジアム建設に向け、他県の事例を研究しながら、人口や企業の数、交通事情などを把握し、建設地について議論している。

 

■藤根 正典議員(新政みえ) ― 航空レーザー測量拡大を 
航空機からレーザー光を発射して地表の状況を調べる方法「航空レーザー測量」について、活用の拡大を求めた。県当局は治山事業や災害に強い森林づくりに活用できるよう、検討を進める考えを示した。

【航空レーザー】
藤根議員 航空レーザー測量は、樹木や構造物を含めて地表の状況を三次元で把握でき、従来とは比べものにならないほど精密なデータが得られる。活用の可能性と課題は。

岡村農林水産部長 紀伊半島大水害で発生した土石流による流木の量や、森林作業道の地盤強度を調べる研究などに活用している。崩壊の危険性が高い地形や整備が必要な森林などを容易に判別できるとも考えている。一方で詳細な情報を得るためには照射密度を高める必要があり、多額の費用がかかる。活用できる人材の育成も課題となる。

【カワウ被害】
藤根議員 アユ漁などに被害をもたらしているカワウの状況は。対策の内容や取り組みの難しさや近県との連携は。

岡村農林水産部長 28年度の調査では県内に約2400羽が生息し、8500羽だった20年度のピーク時に比べて減少した。食害の被害金額も6割ほど減少している。県は内水面漁協に対し、散弾銃を用いた駆除などの費用を支援している。三重、和歌山、奈良の漁協でつくる協議会が花火で追い払うなど、連携を図っている。

 

■村林 聡議員(自民党) ― 風水害、潮位にも着目を
台風21号が接近した10月22日夜、県内の海岸で潮位が高かったことに触れ、降水量と潮位を関連づけた風水害対策の必要性を訴えた。県は本年度中の策定を目指す県版タイムラインで、高潮の事前対策や潮位情報の収集を行動項目にすることを検討していると明らかにした。

【風水害対策】
村林議員 降水量だけでなく潮位にも着目して災害対策すべき。

福井防災対策部長 10月22日に県内各地の降雨がピークを迎え、満潮の時刻と台風21号の接近が重なることが想定された。災害対策本部を設置する前から市町に高潮に備えて水門の操作を迅速に実施するよう依頼した。県民にも台風接近時に高潮への警戒を促すため、短文投稿サイト「ツイッター」で7回注意喚起した。来年度は県版タイムラインをふまえ、市町ごとのタイムラインの策定を働きかける。高潮対策について記載するよう市町と議論を進めたい。

【観光産業】
村林議員 定住促進を図る観点から観光の産業化に取り組み、地域住民の所得を補うべき。

河口観光局長 旅行商品の定着化に向けて情報発信の面でサポートしている。地域で活躍する人が中心となり、行政や観光事業者だけでなく、農林水産業者や商工業者、飲食店などと協力し、地域が一体となって取り組む必要がある。各地域で地域の稼ぐ力を高め、仕事の創出につなげたい。

 

■舘 直人議員(新政みえ) ― 経営向上最終認定が3%
中小企業・小規模企業振興条例の県版経営向上計画で、最終段階となる「ステップ3」の認定企業が全体の3%にとどまっていると指摘。県は審査方法の見直しや支援策の拡充を進める考えを示した。

【スポーツ振興】
舘議員 県は平成33年までの5年間を「スポーツイヤー」と位置づけているが、その後も含めたビジョンは。

鈴木知事 三重とこわか国体と三重とこわか大会(全国障害者スポーツ大会)の成功を最優先としつつ、大会後をしっかりと見据えた取り組みも加速させる。予算確保や組織運営の面でも「スポーツを通じた元気な三重づくり」を絶え間なく進めたい。

【中小企業振興】
舘議員 施行から3年が経過した中小企業・小規模企業振興条例は一定の成果があるものの、地域全体を巻き込むには至っていない。条例に基づく県版経営向上計画では「ステップ3」の認定件数が全体の3%しかない。どう対応するか。

村上雇用経済部長 県版経営向上計画で11月末までに認定した999件のうち「ステップ3」が30件と、全体の3%だけ。商工団体からは「審査期間が長い」「ハードルが高い」「インセンティブの拡充が必要」との意見がある。申請の簡素化や審査期間の短縮に向けた検討を進めている。市町の補助制度と連携するなど、支援策の拡充にも努めたい。