三菱マテ四日市工場爆発事故 元工場長ら2人書類送検 三重

三菱マテリアル四日市工場(三重県四日市市三田町)で平成26年1月、5人が死亡、13人が重軽傷を負った爆発事故で、三重県警は5日、当時の管理責任者である元幹部社員2人を業務上過失致死傷の疑いで津地検に書類送検したと発表した。捜査関係者によると、送検されたのは当時の男性工場長(60)と男性副工場長(58)の2人。事故の予見は困難だったとして、厳重処分を求める意見を付けずに地検に判断を一任したとみられ、不起訴となる公算が大きい。

送検容疑は同年1月9日午後2時5分ごろ、同工場の高純度多結晶シリコン製造施設の水素精製設備から取り外した水冷熱交換器の開放洗浄作業中に発生した爆発事故で、原因となった熱交換器内部の化合物を安定化させるための加湿処理などといった、安全確保に必要な措置を講じる注意義務を怠った過失により、18人を死傷させた疑い。

事故は、半導体などに使用される多結晶シリコンを製造するプラント内で発生。シリコン製造工程で排出される高温ガスを冷却するための熱交換器(直径約1メートル、長さ約6メートル)内を洗浄しようとふたを外した瞬間、重さ約300キロのふたが10メートル離れた場所まで吹き飛ぶほどの爆発が発生し、周辺の作業員が巻き込まれた。

捜査関係者によると、22年2月、23年3月にも同工場で類似した小規模の火災が発生。アメリカの関連会社でも同様の事故が発生し、原因を指摘する情報を入手していたことなどから、事故を予見できたとみて捜査。過去の事故を検証し、定期的な洗浄や、化合物を抑制する措置などがとられていれば事故を防げたとみて調べていた。

同社は当初、事故原因について水素爆発の可能性を言及。その後、同社が設置した事故調査委員会は中間報告で、熱交換器内にたまった「クロロシランポリマー類」が低温の洗浄水などと反応して加水分解し、乾燥することで起爆性の高い化合物が発生すると指摘。堆積した化合物がふたを開けた衝撃で爆発した可能性が高いと結論付けた。

一方、同事故調は最終報告の中で、「当時は十分な情報がなく、適切な安全対策を検討できなかった」として事故の予見性を否定。県警も複数の専門家の意見を元に調べていたが、同事故調の見解を覆すことができなかったとみられる。