大台ケ原の登山道整備に励む 武四郎の「終活」 三重・松阪で講座

【「武四郎の終活」をテーマにした講演=松阪市小野江町の松浦武四郎記念館で】

【松阪】松浦武四郎記念館は12日、三重県松阪市小野江町の同館で第126回武四郎講座を開き、山本命主任学芸員が「武四郎の終活」と題して講演した。古物収集に燃え、大台ケ原の登山道整備に励み、「最後まで突き抜けていくような生き方」と話した。

武四郎は53歳で明治政府の開拓判官を辞職し、71歳で亡くなった。

山本氏は「大台ケ原登山で持っていたこうもり傘には、骸骨の絵を描き、棺おけのふたに書く文言を書いている。旅の中で死んでこそ本望であると考えていた。私費を投じて山小屋を建てた」と語った。

東京神田の自宅には、「旅先のいろんな人たちに協力してもらって全国の寺社の部材を取り寄せ、生涯の旅を振り返る畳一畳だけの書斎を造った。それを取り壊した木材で遺体を焼くという遺言だったが、一畳敷の書斎は当時から注目され、しかも歴史ある木。欲しいという人もいて、徳川当主家へ運ばれた」と述べた。現在は東京都三鷹市の国際基督教大学に残り、「関東大震災や東京大空襲の被害をくぐり抜け、ちょっと珍しい」と話した。

同講座は毎月第2日曜日に開催し、約50人が参加した。