尾鷲で定置網漁操業 東京の居酒屋経営会社、来月から 三重

【定置網漁船「八咫丸」に乗り笑顔を見せる五月女社長(左から2人目)ら=尾鷲市須賀利町で】

【尾鷲】居酒屋などを経営する「ゲイト」(東京都、五月女圭一社長)が12月下旬から三重県尾鷲市須賀利町で定置網漁を操業する。定置網漁船「八咫丸(やたまる)」(8トン)のお披露目を兼ねた出航祈願祭が9日、同町であり、藤吉利彦尾鷲市副市長や県、市などの関係者らも出席して、近くの高宮神社で神事と定置網漁船の披露、もちまきが行われた。

同社の戸田聡水産事業部長(41)が熊野市二木島町で漁師をしていた縁で、昨年から、後継者がいない同所の水産加工場を受け継ぎ、アジフライや干物などを自社店舗で提供している。

今年に入り、三重外湾漁協紀州支所須賀利の組合員らと話し合い、定置網漁の準備も進めてきた。漁船は志摩市の廃業した漁業者から買い取り、修繕した。

同町に須賀利支社を構えて、漁船の乗組員は同社の「パートナー制度」を活用して地元の漁師に業務委託する。現在、40代の3人が海底の清掃などを行い操業準備を進めている。

五月女(そうとめ)社長(45)は「後継者不足に悩む漁業者の実態を目の当たりにして漁師の育成や確保などに取り組もうと決めた。まずは漁を安定させ、ゆくゆくは大型定置網漁も操業し、将来的に東紀州地域に本社を移転したい」と語った。

同町は人口238人、高齢化率は84・5%(10月31日現在)と過疎高齢化が進む。同組合の三鬼晃常務理事(76)は「若い人に来てもらうには一定の収入を確保する必要がある。漁業存続のために県外の企業が携わることは全国的に増えていくのではないか」と期待を寄せている。