台風接近でどうなる衆院選 投票所、多くは避難所 三重県選管「日程変更も視野」

【期日前投票の会場=津市役所で】

衆院選は22日に投開票されるが、気になるのが日本に接近する台風21号の影響だ。雨による投票率の低下が懸念されるだけでなく、投票所と避難所を兼ねている施設では運営に支障を来す可能性もある。投票所を設けている三重県内の離島では、船の運休によって投票箱を開票所まで運べない事態も懸念される。過去には船の運休を受けてヘリが離島から投票箱を運んだこともあるが、今回は台風によってヘリが飛べない可能性も。県選管は「万が一の事態」に備え、当日の投開票が困難な地域で日程を変更することも検討している。

津地方気象台によると、台風21号は17日午後3時現在、フィリピン東の海上を西寄りに進んでいる。今後は発達しながら北上する予想。東海地方への最接近は22日以降だが、予報では県内でも23日ごろまで雨が続く見通し。大雨をもたらす可能性もある。

懸念されるのは一部の投票所が避難所でもあること。投票所の多くを占める小中学校や公民館は、ほとんどが災害時の避難所だ。ある市選管の担当者は取材に「投票所が避難所になり得ることを想定していなかった。スペースに問題がないか心配」と語った。

選挙の作業に災害対応が加われば人員が不足する恐れもある。尾鷲市では約120人の職員が開票作業などに携わる予定だが、うち約2割の職員は災害時の避難所運営なども担当している。市選管は「人員確保も十分に検討したい」と話している。

志摩市では間崎島と渡鹿野島に投票所を設置するが、台風によって島と本土を結ぶ船が運休した場合は投票箱を本土の開票所に運べない可能性もある。市選管の担当者は「この時期の運休は少ないと運行会社から聞いたが、台風となれば話は別だ」と懸念する。

鳥羽市では前回衆院選の際に波などの影響で船が運航できなかったため、自衛隊のヘリが代わりに神島で回収した投票箱を開票所まで運んだという。ただ、市選管の担当者は「ヘリが台風で飛べない可能性もある」と指摘。県選管と対応を協議しているという。

この事態を受け、県選管は投開票の繰り延べと繰り上げの検討を始めた。災害発生時は投票率の大幅な低下や投票箱の輸送などで問題が生じる可能性があるため、公職選挙法は投票を遅らせて実施できると定めている。投票を前倒しする繰り上げも規定している。

県内で投開票の繰り延べを実施すれば、昭和49年7月の参院選以来。当時も台風の影響で道路が決壊し、伊勢市の一部などで有権者が投票所に行けず、投開票を1週間後とした。公選法の公布以降、国政選挙の繰り延べは全国初のケースだったという。

県選管は取材に「台風が来る事態を想定して、投開票の日程を変更することも視野に検討はしている」と説明。一方で「まだ台風の進路が定まっておらず、日程を変更するかどうかの判断ができない状況。台風の状況を注視して対応を検討したい」と話している。