2017年10月12日(木)

▼県立高校で大量にルール違反の越境入学が横行していた問題で、県教委の入学者選抜制度検討会が「県外からの入学できる制度を考えるべき」との方向を示したという。前回までは賛否伯仲に見えたが、同検討会は設立の二カ月前、全国募集を可能にするため県教委が発足させるとの一部報道があった。シナリオ通りということだろう

▼三日の検討会で「一定のルールを作って受け入れる方向で考える」「一定の人数制限を設けて県外からの受け入れを考えても良い」などの意見があったという。前回までは「公平公正を担保すべき」「県立高は県内中学生の入学を保障する」「親の転居を前提とする今の制度を守った方がよい」などの意見も強かったように見えたが、結論ありきではありませんよという演出だったか

▼審議会や委員会が、行政にお墨付きを与える追認機関になっている例は枚挙にいとまない。議決事項が議長の陳謝の一言で取り消されたことがある。おおむね事務局の意向通りに進んでいく

▼教員や学校ぐるみで違反していたことについては「詳細な調査はしない」という廣田恵子教育長の見解で決定済みだったということでもあろう。学力テスト結果で「児童生徒と学校で認識に隔たり」というのも、教職員の不祥事続出ばかりではない気がする

▼「規則が守られていない状況でその規則を変えますということが最初にあるというのは良くない」と鈴木英敬知事。違反した方が正しいというルールに変更して「規則が守られていない状況は解消されたので」と、子どもたちに胸を張って言えるのだろうか。