2017年9月9日(土)

▼「せん檀は双葉より芳し」は、すぐれた人物は幼少時代からどこか違っているという意味だが、家柄よりも教育や環境だという「氏より育ち」ということわざもあり「玉磨かざれば光なし」ともいう。どれが現実を言い当てているのかはケース・バイ・ケース

▼「三つ子の魂百まで」と「スズメ百まで踊り忘れず」も似たような教訓だが、意味は「スズメの踊り」が道楽を主に指し、「三つ子の魂」は性格。ともに人格形成に幼児期の教育が大事なことを教えているにもかかわらず、よい習慣などに「スズメ」の方は使わないという。「スズメの涙」など、この小鳥が軽んじられたり、害鳥として扱われてきた不当な歴史を物語るか

▼南伊勢町の地域おこし協力隊員だった30代女性が町職員からパワハラで適応障害になったと町を訴えた訴訟で、町は全面的に争う姿勢で、小山巧町長は「パワハラ等の事実は確認できなかったので本件請求は容認できない」とコメントした。「三つ子の魂」「スズメ百まで」のことわざを、つい思い出したというわけである

▼石垣英一氏が副知事就任会見で総務畑が長いもう一人の副知事について「頭の硬い総務ばかだけではなさそうだ」みたいなことを評した。総務畑は職員からとかくそう見られがちで小山町長も県職員時代は総務畑一筋だった。町長へ転身し、民意に添った発言を聞くたび、石垣前副知事の言葉を反すうしたものである

▼「男子三日会わざればかつ目してみよ」という。切り口上のコメントはまさに「スズメ百まで」だが、実体がどちらかは、この短さでは分からない。