2017年9月3日(日)

▼飲酒運転の女性の車に同乗した土井数馬四日市市議が、議長からの辞職勧告後記者会見し、勧告を拒否した上で略式命令を受けて罰金を払ったことについて「法律事務所に相談し、裁判が長期化すると市民に迷惑をかける」

▼土井市議は「(女性が)酒を飲んでいたことは知らなかった」と取材に話している。が、検察の略式起訴状には「飲酒したと知りながら知人の運転する車に同乗した」と記されている。それに基づく裁判所の略式命令のまま罰金を払ったことは、起訴事実を認めたことを意味する

▼言っていることと行動が明らかに違う。政治家として、飲酒運転同乗以上に資質が問われることかもしれない。だからこその「市民に迷惑がかかる」の釈明だろう。言行不一致は、自分個人より市民の利益を優先したためと言いたいのだろうが、議員は俗に選良という。「選ばれたすぐれた人」の意。政治家としての資質が問われる問題で、戦わずに言行不一致を認める人間を、市民はすぐれた人だと選ぶだろうか。戦うべきところで転戦する。選んだのは失敗だと思う市民も少なくないのではないか

▼むろん飲酒運転同乗が、政治家にとって言行不一致より罪が軽いと言うつもりはない。行政が飲酒運転撲滅を目指している時、その行政を督励、監督する議会人が、酒のなせる技か、飲酒運転の車にうかうか乗ってしまったのだ

▼自身が目指すという市民参加型町づくりの理想を真っ向から否定する行動を取ってしまったことになる。議員を続けていく資格があるやなしや、勧告以前によくよく自省しなければなるまい。