SNSいじめ 三重県教委「重く受け止める」 訴訟で争うかは精査

【女子生徒の提訴について、報道陣に「重く受け止めている」と述べる小林対策監(左)=三重県庁で】

同級生から受けたいじめに適切な対応をしなかったとして、三重県立高校の女子生徒(17)が県を相手取って津地裁に起こした訴訟。この学校の校長は取材に対し、女子高生が同級生から受けた悪口などについて、学校が当初いじめとは認識していなかったことを明らかにした。学校が設置した調査委員会が、当時の学校の対応に問題がなかったかを調べている。一方、県教委の県教委の小林宏行子ども安全対策監は10日、報道陣の取材に「訴訟で争うかについては訴えの内容を精査した上で判断したい」と説明した。

■SNS中傷に削除依頼せず■
県教委の小林宏行子ども安全対策監は10日、県立高校の女子生徒が中傷を受けたインターネット上の投稿について、SNSの運営者に削除依頼をしていなかったことを報道陣に明かし「誰が誰のことを投稿したのか特定できず、打つ手がなかった」と釈明した。

県教委によると、女子生徒の同級生2人が昨年4月―6月にかけて、インターネット交流サイト(SNS)のツイッターとインスタグラムに、女子生徒を中傷する文言を5回にわたって投稿。学校は昨年4月に女子生徒の親から相談を受けて投稿を把握した。

小林対策監は、県教委や学校がサイトの運営者に投稿を削除するよう依頼していなかったと説明。「投稿の内容は確認したが、誰が誰のことを投稿したのかということが特定できず、どうしようもなかった」などと述べた。投稿は現在、閲覧できない状態という。

また、女子生徒が1年のときに同級生から受けたとされる悪口や無視について「訴訟に関わるため、詳細な内容は控える」としつつ「生徒間で言葉のやり取りや態度で納得がいかない場面が続いたようだ。いじめに当たるかは調査委が調べている」と説明した。

小林対策監は「学校はできる限りの対応をしてきたつもりだが、女子生徒が学校に行けていないことや訴訟を起こしたことを重く受け止めている。学校の対応が適切だったかは調査委が調べている。訴訟で争うかどうかはコメントを差し控えたい」と述べた。

■「互いの言い分聞き指導」 県立高校長■
不登校となっている女子生徒の県立高校の校長も10日、県庁で報道陣の取材に応じた。女子生徒が1年のときに同級生から受けた悪口や無視について、学校は女子生徒の親から相談を受けた当初、いじめだとは認識していなかったことを明らかにした。

女子生徒が1年のときに受けた悪口や無視について、報道陣から「いじめだと認識していたのか」と問われた校長は「それも含めて調査委が調べている」との説明を繰り返したが、追及を受けると、いじめとは認識していなかったことを認めた。

校長は「当時は言葉のやり取りであったり、態度の示し方であったりと、仲間関係がうまく作れずに互いが納得できない部分があった。学校はお互いの言い分を聞きながら指導した」と説明。「結果として、いじめとは判断していなかった」とした。

県教委によると、女子生徒は一昨年秋から欠席が相次ぎ、昨年8月末以降はほとんど登校しなくなった。学校は昨年9月に「いじめ重大事態」と認定。校長は「生徒が不登校を解消して学校を卒業し、進路の実現を果たせるよう支援したい」と述べた。

学校は昨年10月下旬に教職員や専門家ら16人の調査委員会を設け、学校の対応に問題がなかったかや、一昨年の悪口などがいじめに当たるかどうかを調べている。校長は「調査に時間を掛けるつもりはない」と語ったが、調査が終わる時期は明言しなかった。