はしご車をヤフオクに出品へ 財政難の三重県名張市が売却 走行距離1万6000㌔「まだまだ走れる」

【名張市がヤフーオークションの公有財産売却システムに出品するはしご車(市提供)】

三重県名張市が8月、インターネットオークションに市消防本部のはしご車を出品する。メーカーが指定する耐用年数が経過し、業務では使えなくなったことに伴って売却を決定。はしご車をインターネットオークションで売却するのは、菰野町に続いて県内2例目となる。県内でも特に厳しい財政状況の同市にとっては「少しでも高値で落札してもらいたいところ」(市契約管財室)。業者だけでなく一般も入札できるというが、その落札金額はいかに。

出品するのは、消防車の製造を手掛ける「モリタ」(本社・兵庫県三田市)が、日野自動車の車両を元に製造したはしご車。ビルの十階から救助することを想定した35メートルのはしごを備えている。市は平成7年3月、約1億2千万円で導入した。

走行距離は約1万6千キロで「まだまだ走れる状態」(消防職員)。はしごなどのメンテナンスも定期的に実施しており、作動に問題はない。ただ、メーカーが指定する耐用年数が経過したため、市は2月、約1億8千万円をかけて新たな車両を導入した。

市は22年度から、インターネットオークションを通じた公有財産の売却を開始。これまでに9台の公用車を出品し、計162万円の収入があった。市長車だった「トヨタクラウン」は、最低落札価格の約2倍に当たる約12万円で落札されたという。

一方、消防車両は廃車したり、業者に売却したりしてきたが、今回は「他の公用車と同じように、高額で落札されるのでは」と考え、ヤフーオークションの公有財産売却システムに出品することにした。救急車や小型ポンプも合わせて出品する。

市は長期的な財政難に陥っている。14年に「財政非常事態宣言」を発令。24年度の一般会計予算では歳入が不足し、事実上の赤字予算となったこともある。27年度決算でも、実質公債費比率や将来負担比率は県内の市町でワーストだった。

菰野町が26年に86万円で出品したはしご車は135万円で落札された。市は買い取り業者の見積もりを元に、最低落札価格を65万円と設定している。市契約管財室は、市の財政状況から「できるだけ高値で落札してもらいたい」と語る。

はしご車は耐用年数が過ぎても海外で使用されるケースもあるといい、消防からは今後の活躍に期待する声もある。消防救助室の宮阪昇係長は「市にとって初のはしご車だっただけに、隊員らの愛着も大きかった。新たな活躍に期待したい」と話している。

入札期間は8月17日午後1時から24日午後1時まで。入札には8月2日までの仮登録と、8月10日までの本登録が必要。ヤフーオークションの公有資産売却システムで登録する。問い合わせは市契約管財室=電話0595(63)7336=へ。