三重県多気町 「ポモナファーム」設立 万協製薬と丹生営農組、ベンチャー 低投資・高収益へ農業法人

【農業法人「ポモナファーム」を設立した(右から)松浦社長、豊永代表取締役、中村組合長=松阪市役所で】

【多気郡】多気町の万協製薬と丹生営農組合、沖縄県那覇市の農業ベンチャー「カルティベラ」は12日、共同出資して農業法人「ポモナファーム」を設立したと発表した。カルティベラを起業した豊永翔平さん(28)が代表取締役に就く。同町丹生でトマトやイチゴを年間を通じてハウス裁培する。根域の水分調整ができる特殊なシートや、井戸水を使った冷暖房を活用し、低投資・高収益農業にする。

豊永社長は農業ベンチャーを昨年立ち上げ、複合リゾート施設「アクアイグニス多気(仮称)」の進出を見越して農業経営を模索していた万協製薬(同町仁田)と連携。同営農組合の仲介で農地5千平方メートルを取得し、簡易パイプハウス15棟を建設中。冬から出荷を始める。社名はローマ神話の果実の女神ポモナにちなむ。

ハウス裁培では高密度ナノファイバーのシートを重ね、毛細根を大量に育て、根域空間の水分値を制御。トマトの糖度を高め、イチゴの香りを強くする。レタスなど葉物野菜は年間12―14回の収穫を目指す。水温が一定の井戸水を冷暖房に用いるなどして投資額を通常の半分に抑えた。

松阪市役所で記者会見した豊永代表取締役は「多額の投資が要らない裁培システムや運営ノウハウの開発が目的。横展開で新規就農者を支援したい」と抱負を語った。

万協製薬の松浦信男社長は「働きやすい仕組みをつくりたい。新しい農業の取り組みにご期待いただきたい」と話し、中村豊實組合長は「農業の活性化につながれば」と期待した。